傍観者の焦り
そんなルルーシュ達の少し離れたところ。
そこには、黒の騎士団のトレーラーがあった。
もちろんルルーシュは、そんなところに黒の騎士団のトレーラーがあることなんて知らない。
「ねえねぇ。あの子、めっちゃ綺麗じゃない?」
ラクシャータが窓の外を見て、そうカレンに耳打ちをした。
今、黒の騎士団会議室では、会議が行われている真っ最中。
カレンは窓の外を見て、ほんのり頬を染めているラクシャータを見て「会議中ですよ。」とは言いながらも、窓の外へと視線を移した。
そしてたっぷりと5秒間ほど窓の外を見つめて叫んだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁあ?」
そのカレンの大声に会議に参加していた幹部の人々、そしてゼロまでもがびくっと体を震わせた。
隣にいたラクシャータは耳を押さえて、うずくまっている。
「ど、どうかしたのか?カレン。」
「あ・・・すみません。あの、私の学校の副会長が友達と一緒にいたので・・・」
「・・・・・・副会長?」
カレンが「あ、はい。」と言うと、どうやら耳の痛みから復活していたラクシャータは、また窓の外を見ている。
カレンも心配そうな顔つきで窓の外に顔を向けている。
「え、あ?ちょっと、リヴァル!何やってるのよ!」
カレンが窓に向かって叫ぶ。
そう、ルルーシュからリヴァルが離れていったんで、慌てて、思わず声に出てしまったのだ。
ラクシャータは「どうかしたのぉ?」と異様なまで慌てているカレンに問いかけた。
「その副会長から友達が離れていっちゃったんです!」
「トイレか何かでしょう?心配する必要なんてないじゃなぁい?」
「あるんです!この辺、治安悪いですし・・・」
そう言ってカレンは食い入るように、窓の外を見つめている。
ゼロはその様子を見て、はぁと溜息をついて、仕方がないと言わんばかりにカレンをもう一度一瞥すると、「始めるぞ。」と言うと、止まってしまっていた会議を開始した。
それからしばらくの間、カレン抜きでの会議が続いていた。
そして、またカレンの叫び声が響いた。
「ぎゃぁぁぁぁぁああ!な、何やってるのよ!やめなさい!」
「今度はどうしたんだ?カレン。」
「ぜ、ゼロ!る、ルルーシュがぁぁ!ルルーシュが日本人を助けて不良に掴みかかられて・・・」
「・・・・・・ルルーシュ?」
ゼロがぴくっと肩を震わせた。
カレンは尋常ではないほど心配そうな表情を浮かべて、窓を食い入るように見つめている。
今は黒の騎士団の格好をしているので、助けるわけにもいかないのだろう。
「あらぁ、本当。大丈夫かしらぁ。でも日本人を助けるブリタニア人なんて珍しいわねぇ。」
「・・・・・・ブリタニア人?」
いつしか皆が窓の当たりに集まって外を食い入るように見つめていた。
そして皆が、珍しい珍しいと物珍しげな表情で傍観している。
ゼロだけは自分の席から離れずに首をかしげていた。
「うわっ!押し倒されたぜ!?大丈夫かよ、あの黒髪美人な野郎は。」
「・・・・・・黒髪美人?」
ついにゼロが立ち上がって、人がたかっている窓際へと向かった。
ゼロが来ると、自然にゼロが通れるだけの道が空き、ゼロはそこを悠々と通り、窓の外を見つめた。
そして、叫んだ。
「ルルーシュ!!!!!!!」
ゼロが尋常じゃない様子で会議室を飛び出した。
皆も「何事?」とゼロの後を慌てて追いかけるように会議室を後にした。